アロマ=植物性ではない!?エッセンシャルオイルや精油とは。違いや注意点など徹底解説!

最近ではCMや街中でも耳にする「アロマ」という言葉。この言葉は沢山の意味を持つことはご存知でしょうか?

アロマ=良い香りのもの?健康に良いもの?

と、単純に考えてしまうには深い落とし穴があります。

アロマオイルとは

アロマオイルとは簡潔にいうと「植物の香り成分を抽出したエッセンス」です。

このエッセンスは化粧品やシャンプー、洗剤など多くの日用品に使用されており、とても身近な存在と言えます。ですが、それらは植物由来で作られたものを使っているのでしょうか?

実は植物から生成されたとは限らないんです!

というのも、“アロマオイル“と記載されているものは、エッセンシャルオイルや合成香料をアルコールや他のオイルで希釈したものを指しています。

ポプリオイル、フレグランスオイルと呼ばれることもあります。

要するに、アロマオイルは内容物や純度が製品によって変わってくるので注意が必要です。心身に悪影響を及ぼすこともあるので、アロマセラピーに用いることはできません。

エッセンシャルオイルとは

エッセンシャルオイルとは植物の花や葉、枝、茎、根、果皮、樹脂などから抽出した天然の成分で、純度100%のオイルのみを指します。非常に濃い物質で、現在は200以上の種類があるといわれています。

精油とはエッセンシャルオイルの日本名です。
(厳密にいうと、圧搾法や溶剤で抽出されたものはアブソリュートという)

Kind_of_aroma

100%のエッセンシャルオイルでも、品質は様々で、合成物質の添加・アルコール希釈・成分調整などの加工がされている商品も少なくないので、購入時には注意が必要です。

https://soraroma.com/%e3%82%a2%e3%83%ad%e3%83%9e%e3%82%aa%e3%82%a4%e3%83%ab%e3%81%ae%e5%93%81%e8%b3%aa%e3%81%ae%e9%81%95%e3%81%84/

エッセンシャルオイルの働き

エッセンシャルオイルの元は、植物の特殊な分泌腺で合成され腺組織に蓄えられます。

植物は生き延びるためにその成分の働きを利用しています。

Work_of_plant

この働きを凝縮したものがエッセンシャルオイルで、薬理成分の集合体と言えます。

単独の植物から抽出した純粋で天然の産物という意味では単純でありながら、高濃度かつ複雑な化学物質で構成されているため、取り扱いには注意と知識を必要とします。

“自然のものなら安心“という認識はされがちですが、自然間には毒性を持つものが多く、使用方法を誤ったり、過度に使いすぎると有害になります。

エッセンシャルオイルの特性

エッセンシャルオイルの特性は芳香性揮発性可燃性脂溶性です。

・際立つ芳しい香りを持つ
・揮発性であるためすぐに蒸発する
・可燃性があるため熱や炎からは遠ざける必要がある
・オイルやアルコールには溶けるが水に浮遊してしまう
・液体である(ローズとベンゾインは半固体)
・油っぽくない
・高価である

国による認識の違い

基本的に、香りを楽しむことを目的にした芳香浴、リラクゼーションや生理的効果を目的としたトリートメントに使われることが多いですが、使用方法は国によって異なります。

フランスでは医師免許を所有しエッセンシャルオイルを扱う人のみがアロマセラピストと呼ばれ、厳密に処方されたエッセンシャルオイルの内服と吸入を行う方法で臨床的に使っていまが、内服することはほとんどありません。
日本では精油は雑貨扱いです。なので、法律上はアロマセラピーも雑貨を皮膚に塗るということなのでグレーゾーンに入ってしまいます。
ですが最近では産婦人科や病院などでも補助療法として使用することも増えてきているようです。
アメリカは日本よりも自然療法は身近にあり、オーガニックスーパーなどではヘルスケアのコーナーにエッセンシャルオイルを置いていることが多いです。

注意点

エッセンシャルオイルを扱う際は特性を理解して、気をつけて使用する必要があります。

使用上の注意

  • 内服はしない(有毒性、胃の内壁を傷つける、胃の中の酵素がエッセンシャルオイルの化学構造を変化させる、肝臓への負担、消化器系の機能により効能低下)
  • 直に肌につけない→キャリアオイルなどで希釈(濃度2%以下)
  • 保存状態に気をつける
  • 妊娠中は使ってはいけない精油があるので注意する
  • 癲癇があるときは医師に相談する
  • 幼児に使用する場合は気をつける
  • 柑橘系のエッセンシャルオイルは光毒性があるものがあるので、使用後6時間は日光浴は避ける
  • ホメオパシーの薬剤を使っているときは十分に注意する
  • 長時間、長期間同じエッセンシャルオイルを使用しない
  • 皮膚に刺激性のあるものは、アレルギーや敏感肌の人に用いない

保存上の注意

  • 遮光瓶に入れ、蒸発防止のため硬く蓋を閉め、冷暗所に保存する
  • 子供やペットの手の届かないところに置く
  • 可燃性なので火から遠ざける

エッセンシャルオイルの使用方法

代替療法

・アロマセラピー(芳香療法)
・アロマトロジー(芳香療法)
・アロマコロジー(芳香心理療法)
・エステティック・アロマセラピー(美容)
・メディカル・アロマセラピー(医療・看護・介護)
・オルファクトテラピー(嗅覚療法)フランス

セルフケア

・ヘアパック
・湿布
・お掃除など

問題点

■精油によるアレルギー
日本ではラベンダー精油によるアレルギー患者が増えてきています。これはニート(原液)で使っても良いとされている、ティーツリーやラベンダーを比較的安全と思い、長時間かつ長期間使い続けてしまうため起きる問題です。
また、ティーツリー精油による接触性皮膚炎の報告もされているため、如何なる精油であっても原液または長期間使い続けることはお勧めしません。
そして、毎回同じ精油を用いてアロマトリートメントをしているセラピストの方も注意が必要です。特定のオイルや精油を使うと手が荒れるようになった方もいらっしゃいます。

■偽和や品質の偽装
“偽和”とは、香りが似たものを混ぜたり、石油由来の合成成分を混ぜてカサ増ししたエッセンシャルオイルの偽物のことです。日本ではエッセンシャルオイルが雑貨扱いなので販売基準が緩いこともあり、問題になりました。また現在では、「消費量が生産量2倍」であることが問題視されています。今はネットで低価格の商品がたくさん出回っていますが、良い品質のものを選ぶことが重要です。

■火災の可能性
数年前にアロマトリートメントを行なっているサロンで火災が続発したことがあるので、よく注意されています。
これはエッセンシャルオイルの可燃性の特性が原因で、オイルが落としきれていない、またはオイルが酸化してしまったタオルを乾燥機に入れ火災が発生してしまうことが多いようです。
またミルラの精油は着火点が特に低い為、注意が必要です。

■マルチアロマの勧誘
アロマのブランドで、世界的にネットワークビジネスで商品販売していることもあります。そこでの人間関係のトラブルや金銭面のトラブルが起きてしまうことがあります。また、健康被害なども世界中で頻繁に起きているようで注意喚起している都道府県などもあるほどなので注意が必要です。

■ペットの中毒症状
最近「アニマル・アロマ」などの言葉をよく耳にし、資格も取れるようなのですが、世界では中毒事故が報告されてます。中毒を起こした精油の量は0.1ml~。わずか2滴程です。
ノミ取りやリラックスを目的として使われるようなのですが、物質の分解能力や代謝には動物によって違いがあり、精油などの脂溶性物質の代謝能力は低いようです。特に猫は精油成分の代謝能力は特に低いので、猫を飼っているご家庭の方はアロマディフューザーなども気をつけましょう。

POINT
  • 品質が良いものを購入する
  • 自分に合ったものを選ぶ
  • 同じ精油を使いすぎない
  • 濃度2%以下で使用する

このように、精油にはたくさんのエネルギーが存在し、“薬は毒にもなる”という言葉があるように、使用には充分気をつけて生活をより良くしていきましょう!